
建設工事や解体工事、リフォーム工事では、さまざまな廃棄物が発生します。これらは総称して「建設廃棄物」と呼ばれ、適切な分別や処理が求められています。
近年では、資源循環や環境保全の観点から建設廃棄物のリサイクルが重要視されており、企業には法令に基づいた適正な処理が求められています。
一方で、
- 建設廃棄物とは具体的に何を指すのか
- 産業廃棄物との違いは何か
- どのような法律が関係しているのか
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
【建設廃棄物の基礎知識シリーズ(全4回)】
本シリーズでは、建設廃棄物の基礎知識から処分方法、木くずのリサイクル、業者選びまでを全4回に分けて解説します。
- 第1回:建設廃棄物とは?基礎知識と関連法令(現在閲覧中)
- 第2回:建設廃棄物の処分方法と処理の流れ(公開予定)
- 第3回:木くずの分別とリサイクル(公開予定)
- 第4回:回収業者の選び方とFAQ(公開予定)
今回は第1回として、建設廃棄物の種類や産業廃棄物との関係、関連する法律について詳しく解説します。
建設廃棄物とは、建設工事や解体工事、改修工事などの過程で発生する不要な資材や廃棄物の総称です。
例えば、建物の解体時に発生するコンクリート片や木材、内装工事で発生する石こうボードなどが建設廃棄物に該当します。
建設現場では多種多様な廃棄物が発生するため、それぞれの性質に応じた分別・保管・処理が必要です。
また、建設廃棄物の中には再資源化が可能なものも多く含まれており、適切に処理することで再資源化され、資源として有効活用できます。
建設廃棄物にはさまざまな種類があります。代表的なものは以下のとおりです。
木くず
主な例として、以下のものが挙げられます。
- 柱や梁の端材
- 合板
- ベニヤ板
- 木製建具
木くずは建設廃棄物の中でも発生量が多く、リサイクルしやすい資材として知られています。
ただし、防腐剤や塗料が付着しているものなどは、通常の木くずと異なる処理が必要になる場合があります。
また、木くずは建設現場で継続的に発生する代表的な建設廃棄物の一つです。適切な分別やリサイクルによって処理コストの削減や資源の有効活用につながるため、排出事業者にとって重要な管理対象となっています。
特に解体工事やリフォーム工事では発生量が多くなるため、処理方法やリサイクル先をあらかじめ検討しておくことが重要です。
がれき類
建物の解体によって発生するコンクリート片やレンガ、ブロックなどを指します。
破砕処理を行うことで再生砕石として再利用されるケースが多く、道路工事や造成工事などに活用されています。
石こうボード
内装材として広く使用されている建材です。
解体やリフォーム時に大量に発生することがあり、他の廃棄物と混在するとリサイクルが難しくなるため、適切な分別が必要です。
近年は石こうボードの再資源化が進められており、リサイクル率向上のためにも分別の重要性が高まっています。
金属くず
鉄やアルミニウム、ステンレスなどの金属類です。
スクラップ資源として価値が高く、多くが再資源化されています。
廃プラスチック類
塩化ビニル管や樹脂製品、梱包材などが該当します。
種類によって処理方法が異なるため、適切な分別が重要です。
「建設廃棄物」と「産業廃棄物」は混同されることがありますが、それぞれ意味が異なります。
建設廃棄物は、建設工事や解体工事などで発生する廃棄物の総称です。
一方、産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物で、事業活動に伴って発生したものを指します。
建設現場で発生する以下のような廃棄物の多くは、産業廃棄物として扱われます。
- 木くず
- がれき類
- 金属くず
- ガラスくず
- 廃プラスチック類
つまり、建設廃棄物の多くは産業廃棄物に該当するという関係です。
ただし、廃棄物の種類によって処理方法や取扱い区分が異なるため、それぞれの性質に応じた適切な管理・処理が求められます。
そのため、建設工事に伴って発生する建設廃棄物の多くは家庭ごみとして処分することはできず、法令に従った適正な処理が必要になります。
建設廃棄物を適切に処理することには、さまざまなメリットがあります。
法令遵守につながる
建設廃棄物は、関連法令に基づいて適切に処理しなければなりません。
不適切な処理や不法投棄は法令違反となるだけでなく、企業の社会的信用を損なうおそれがあります。
処分コストの削減につながる
建設廃棄物を適切に分別することで、リサイクル可能な資材と処分が必要な廃棄物を区別できます。
その結果、処理費用の削減につながる場合があります。
環境負荷を低減できる
リサイクル可能な資材を再利用することで、天然資源の消費抑制や最終処分場の延命につながります。
循環型社会の実現に向けて、建設業界でも積極的な取り組みが求められています。
建設廃棄物の処理には、主に以下の法律が関係しています。
廃棄物処理法
正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」です。
産業廃棄物の収集運搬や処分方法、排出事業者の責任などが定められています。
建設工事を行う事業者には、適正な処理を行う責任があります。
建設リサイクル法
正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」です。
一定規模以上の解体工事や建設工事では、分別解体や再資源化などが義務付けられています。
- コンクリート
- コンクリート及び鉄から成る建設資材
- 木材
- アスファルト・コンクリート
対象資材については、適切な再資源化を行う必要があります。
資源有効利用促進法
資源の有効活用を促進し、廃棄物の発生抑制や再利用を推進することを目的とした法律です。
建設業界においても、建設副産物の発生抑制やリサイクルの推進が求められており、廃棄物処理法や建設リサイクル法とあわせて循環型社会の形成を支える法律の一つです。
建設廃棄物とは、建設工事や解体工事、改修工事などで発生する不要な資材や廃棄物の総称です。
木くずやがれき類、石こうボード、金属くずなどさまざまな種類があり、その多くは産業廃棄物として適切な処理が必要となります。
また、建設廃棄物の処理には廃棄物処理法や建設リサイクル法などの法律が関係しており、適切な分別と処理が求められています。
建設廃棄物を適切に管理することは、法令遵守だけでなく、コスト削減や環境負荷の低減にもつながります。
なかでも木くずは建設現場で発生量が多く、リサイクルによる再資源化が進められている廃棄物です。
次回の記事 →
第2回:建設廃棄物の処分方法と処理の流れ
(公開予定)



